『家族の舟』で学ぶペアトレ15のヒント〈11〉:「よくやってるよ、私」
「自分を褒める方法ですが、もし周りに人がいない状態でしたら、自分で自分を抱きしめてあげてください」
——水谷インストラクターの言葉より【小説『家族の舟』第9章 ペアトレ講座・一回目より、講座内での実践シーン】
■ 子どもを褒めることはできても、自分は?
講座の中で参加者の山崎さんが手を挙げて尋ねた質問——
「『自分を褒める』って、どうすればいいんでしょうか?」
これは、実は多くの親が心の中に抱えている問いでもあります。
誰かを支える日々のなかで、自分をねぎらう余裕なんてなかった。
むしろ、「もっとちゃんとしなきゃ」と、自分に厳しくしがちだった。
そんな“がんばり屋の親”にこそ、水谷講師は言葉ではなく動作で伝えます。
■ 自分の肩を抱きしめる——それだけで、気持ちが和らぐ
水谷がやって見せたのは、右手と左手で自分の肩をぎゅっと抱きしめる、
それだけの動作でした。
でも、その場にいた参加者たちは、口々に言います。
「なんかこれ、いいわね」
「気持ちが落ち着く」
これは、「自己強化」というペアレント・トレーニングのテクニックの一つ。
自分の行動に自分で「よかったね」と言ってあげることで、自己肯定感の土台を育てる方法です。
■ 恥ずかしいなら、“ポンポン”でもいい
浩司は最初、抱きしめるなんて恥ずかしくてできませんでした。
でも、言われた通りに右手で左肩を「ポンポン」と2回叩いてみる。
——それだけで、なんとなくホッとする。
この感覚が大事なんです。

恥ずかしいけど・・・トライしてみてください!
■ 親だって、人間。だから、まず自分に優しくしてみる
自分を責めてばかりだと、子どもにも厳しくなってしまう。
まずは、自分が自分にとっての“いちばんの応援者”になってあげること。
それが、子どもとの関係にも、じわじわと良い影響を与えていきます。
✍️しげのひとこと
誰にも褒めてもらえない日こそ、自分に「ありがとう」「よくがんばっとる」と言ってみる。それだけで、心の舟が少し前に進みます。
【ペアトレをテーマにした小説を出版します】
うつ病、不登校、家庭内暴力。
沈没しかけた家族に、一つの航路が生まれた
しげの実体験をもとにした小説「家族の舟」
2025年9月15日 「私」物語化計画より出版