『家族の舟』で学ぶペアトレ15のヒント〈12〉「子どもと過ごす時間を、楽しんでください」
「お子さんと過ごす時間を楽しんでください」
——水谷インストラクターの言葉より【小説『家族の舟』第一回ペアトレ講座・締めのメッセージ】
第一回の講座を終える最後に、水谷が参加者全員に向けて、
力強く、けれどどこか涙をこらえるような声で語ったのが、この言葉でした。
■ 「楽しんでください」と言われて、戸惑ったあなたへ
子育てに悩んでいるとき、心に余裕がないとき、
「楽しんで」と言われると、なんだか遠い世界の話に思えてしまいます。
でも、水谷講師の「楽しんで」は、決して“無理して笑って”という意味ではありません。
それは、「今のこの時間に、目を向けてみてください」という、やさしい呼びかけなのです。
■ 子どもが“子どもでいてくれる時間”は、想像以上に短い
水谷が言うように、
「子どもが子どもでいてくれる時間は、思った以上に短いです」
毎日一緒にいると気づきにくいけれど、
気づいたときには、小さな背中が思春期を迎え、
親を避けるようになり、やがて親元を離れていく。
あのとき、もう少し“いま”を味わっておけばよかった。
——そう思わずにいられないのが、親という生き物です。
■ 叱るより、褒めるより、大事なこと
ペアレント・トレーニングでは「褒めること」が強調されますが、
それ以前に大切なのは、「一緒にいる時間を、ちゃんと味わう」こと。
それができているとき、子どもは自然と笑い、
親も「教えなきゃ」ではなく、「一緒に生きてる」感覚を得ることができます。
■ 時間がすべてを解決してくれるわけじゃない。だからこそ、“今”を大事にする
今この瞬間の関わりが、
のちの親子関係をつくっていく。
水谷の言葉は、ペアトレ講師としての理論を超え、
“ひとりの母としての実感”から出た、本音のメッセージだったのでしょう。
✍️しげのひとこと
親子で笑いながら過ごした日々は、忘れても、心の奥底に残ります。今しかない時間を、楽しめますように。
【ペアトレをテーマにした小説を出版します】
うつ病、不登校、家庭内暴力。
沈没しかけた家族に、一つの航路が生まれた
しげの実体験をもとにした小説「家族の舟」
2025年9月15日 「私」物語化計画より出版