『家族の舟』で学ぶペアトレ15のヒント〈8〉:「当たり前を褒める」と、親子の信頼が積み重なる

「お子さんの『当たり前にできることを褒める』を続けると、親子間の絆、信頼感が深まります」
——「家族の舟」 第15章 水谷との対面 より

「宿題をした」「歯を磨いた」「時間通りに起きた」
そんな“できて当たり前”と思ってしまうことを、
あえて褒める。

このシンプルな実践が、実は親子の関係性を変える土台になるというのが、
ペアレント・トレーニングの基本です。


■ 「当たり前」は、当たり前じゃない

私たちはつい、「特別な頑張り」や「目に見える成長」を褒めたくなります。
でも、水谷先生は言います。

「当たり前を褒めることには、大きな意味があります」

歯磨きを毎日すること。
挨拶を交わすこと。
準備を自分ですること。

それらは、目立たないけれど続けるには努力のいる行動です。


■ 子どもは、“日常”の中で愛情を確認している

特別な褒め言葉より、
「今日もちゃんとやってたね」「忘れずに用意してたね」という
日常への気づきが、子どもには響きます。

それは、「自分を見ていてくれる」「認めてくれている」という安心につながります。


■ 褒めることが、信頼を育てる“インフラ”になる

信頼関係は、ある日突然できあがるものではありません。
それは、毎日のやりとりの中に積み上がっていくものです。

「今日は早く準備できたね」
「自分から手洗いしてたね」
「静かに待ってくれてたの助かったよ」

この小さな“褒め”の積み重ねが、
子どもが大人の言葉に耳を傾ける土壌をつくっていくのです。


■ 浩司が希望を見いだした理由

小説の中で、父・浩司は水谷のこの一言に、

「新たな希望の光が見えたような気分」
になります。

それは、自分にもできるかもしれないと思えたから。
特別なテクニックではなく、**「見て、気づいて、伝える」**ということなら、自分にもできる。

そう思えたとき、親は救われ、
そして家族の舟もまた、静かに前へと進み出すのです。


✍️しげのひとこと

特別なことは、しなくていい。“当たり前”に目を向ける、それが親子関係の信頼構築のはじまり。

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うつ病、不登校、家庭内暴力。
沈没しかけた家族に、一つの航路が生まれた。

しげの実体験をもとにした小説「家族の舟」
2025年9月15日 「私」物語化計画より出版

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