『家族の舟』で学ぶペアトレ15のヒント〈6〉行動の4つの機能とは?

「親から『怒られる』とか『説教される』といったリアクションは、
お子さんにとって、必ずしも『不快』であるとは限らないんですよ」
——水谷インストラクターの言葉

11章 ペアトレ講座・二回目 より


■ なぜ、その子は“わざと怒らせるようなこと”をするのか?

親として、支援者として、
「なんでこんなことするの?」「どうしてわざわざ怒られるようなことを…?」
そう思ったことはありませんか?

ペアレント・トレーニングでは、こうした**“困った行動”にもちゃんと理由があると考えます。
それが、
「行動の4つの機能」**という考え方です。


■ 行動には4つの“目的”がある

  1. 注目を得るため(注意喚起機能)
     → 例:「かまってほしくて騒ぐ」

  2. 物や活動を得るため(具体的報酬)
     → 例:「ゲームしたくて嘘をつく」

  3. 嫌なことから逃れるため(回避)
     → 例:「宿題が嫌で寝たふりをする」

  4. 自動的な快感や安心のため(自己刺激)
     → 例:「手を振ったり独り言を言うことで落ち着く」


■ 「怒られてもいいから注目してほしい」が一番厄介

水谷インストラクターが言うように、
“怒られること”ですら、子どもにとっては“親の関心がもらえる”という報酬になってしまうことがあります。

たとえば、親が普段忙しくて構ってくれない。
でも、悪さをすれば怒られる。
→「だったら怒られてでもいいから、こっちを見てほしい」と子どもは無意識に選んでしまう。


■ 大切なのは、「行動そのもの」ではなく「背景を推理する」こと

“問題行動”を見たとき、「叱る」よりも先に考えてみてください。

  • これは、誰かの気を引きたいのか?

  • なにかを避けたいのか?

  • 単に自分の心を落ち着けるためなのか?

背景の機能を見抜くことが、適切な対応につながります。


■ 行動の意味がわかると、子どもが見違えて見える

「悪い子」ではなく、「かまってほしい子」
「怠けている」ではなく、「どうしたらいいか分からない」

行動の裏にある“心の声”を聴けるようになると、
叱る回数は減り、関係性そのものが変わっていきます。


✍️しげのひとこと

子どもは、行動でしか「助けて」って言えないときがある。

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