『家族の舟』で学ぶペアトレ15のヒント〈1〉子どもを動かす“褒め言葉”とは?
(*このシリーズでは、崩壊しかけた家族がペアレント・トレーニングにより再生する姿を描いた小説「家族の舟」のワンシーンから、ペアトレのポイントをご紹介します)
第1話:子どもを動かす“褒め言葉”とは?
「使ったコップを運んでくれてありがとう!
えらい! 助かるよ!」
これは、小説『家族の舟』の冒頭、父・浩司が娘・亜希にかけたひと言です。
たったこれだけのセリフに、ペアレント・トレーニングの基本が詰まっています。
■ “行動”を具体的にとらえて”褒める”
ペアトレでは、「いい子ね」「えらいね」よりも
“どんな行動がよかったのか”を具体的に伝えることが大切です。
「使ったコップを運んだ」
→ これは“片付け”の中でも最も基本的な行動。
その小さな一歩に気づき、「助かる」と伝えたことで、「行動が役に立っている」という実感が亜希に届きます。
■ 子どもが“またやろう”と思える声かけとは?
褒め言葉に必要なのは「結果」ではなく「行動への気づき」と「喜びの共有」。
それを一番シンプルに表現しているのが、
「助かるよ」「うれしいな」「ありがとう」
という言葉です。
■ “いい関係”は、小さな声かけから始まる
親子関係を変えるために、叱るよりも先にできること。
それは、小さな「ありがとう」を、気づいた瞬間に言葉にすることです。
家族の舟が、静かに進み出す第一歩として。
あなたも今日、誰かに「ありがとう」を伝えてみませんか?
✍️しげのひとこと
「褒める」の目的は“子どもの操作”じゃない。
“伝え、共感すること”です。
【ペアトレをテーマにした小説を出版します】
うつ病、不登校、家庭内暴力。
沈没しかけた家族に、一つの航路が生まれた。
しげの実体験をもとにした小説「家族の舟」
2025年9月15日 「私」物語化計画より出版