僕はどうしても、大嫌いなニンジンを残したいと思った。

しかし、それには三つの障害がある。

 

一つ目の障害は、僕はまだ5歳、ママに歯向かえないということ。

二つ目の障害は、食事の間はママがずっと見張っているということ。

三つ目の障害は、ニンジンを食べなければ、遊びに行かせてもらえないということだ。

 

しかし、僕は絶対に諦めない。やるだけのことはやろう!

 

ママが他の部屋に行けば、そのスキにニンジンを捨てることができる。ママを他の部屋に生かせる方法はないか? ちょうどその時、「ピンポーン」と玄関のチャイムが鳴った。「はーい」と言ってママが部屋を出て行った。今だ!僕は皿からニンジンを掴むと、窓から放り投げた。数秒ほどして、ママが部屋に近づいてくる足音が聞こえてきた。

「ママ、ニンジンもちゃんと食べたから、遊びに行ってくるね・・・あーっ!」

回覧板を手に持ち、鬼の形相で僕を睨むママ…。
その頭には、僕がさっき投げたニンジンが乗っていた…。


*この作品は「超ショート小説の書き方」を参考に書かせていただきました。高橋フミアキ先生、ありがとうございました!